小津安二郎の本、買います
・小津安二郎・野田高梧「お茶漬の味・他」青山書院 昭和27年
・ドナルド・リチー「小津安二郎の美学 映画のなかの日本」フィルムアート社 昭和53年
・佐藤忠男「小津安二郎の芸術」朝日新聞社 昭和46年
最初に買った小津安二郎の古本はたぶんこれです。
小津安二郎・野田高梧「お茶漬の味・他」青山書院 昭和27年
「麦秋」「晩春」「お茶漬の味」のシナリオが収録されていて、
なぜ書名が「麦秋」でも「晩春」でもなく「お茶漬の味」なのかと思いましたが、
3作品の中での最新作は「お茶漬の味」だからなのですね。
おそらく昭和27年発行という古い本を買ったのもこれがはじめてだったかも知れません。
古本屋となった今では昭和27年発行の本は古いうちに入りませんが。
高校を卒業して名画座に通うようになって最初にハマったのが小津安二郎監督の映画でした。銀座の並木座ではじめてまとめて見た名作の数々。
「東京物語」「晩春」「麦秋」など、ロードショー映画しか見たことがなかった若者が映画の奥深さの入り口に立ったのが、あのローアングルでほとんど移動のない画面。影響されて小津映画っぽいストーリーのシナリオを書いたこともありました。
1980年代初頭、小津安二郎は再評価が高まっていたものの今ほど小津関係の本はそれほど数がなくて、ドナルド・リチー「小津安二郎の美学 映画のなかの日本」フィルムアート社、佐藤忠男「小津安二郎の芸術」朝日新聞社、この2冊が手に入りやすい基本図書だったような気がします。
その後、松竹100年、生誕100年、110年などのきっかけもあって、今は本当にたくさんの研究書・読み物が出ています。
そんなわけで、小津安二郎関係の本、買います。