溝口健二の本
かつて日本映画監督の三巨匠といえば、小津安二郎・黒澤明・溝口健二と相場が決まっていました。いろんな見方があるので、どれが正しいとかいうことではなく、それが一般的でした。
成瀬巳喜男の再評価が高まる時期と同じくして溝口健二が振り返られる機会が減って、なんとなく近年が溝口健二が忘れられているような気がします。
小津安二郎や黒澤明の研究書の発刊は相変わらず多いのと比較して、溝口健二は関係者の多くが亡くなっているということもあって、取材も困難なのでしょう。かなり少なめです。
2013年に発行された佐相勉編「溝口健二著作集」はこれまでまとめられる機会の少なかった溝口の発言を丹念にまとめた労作で、450ページで読み応えがあり、近年おすすめの溝口本です。
(ただし、造本が古本屋泣かせですが)
簡単に「まとめた労作」と書いてしまいましたが、本当に時間もお金もかかっていることがわかり、2800円+税で読ませてもらっては申し訳ないほどです。
溝口健二を知りたい方への入門書は、
「溝口健二の世界」佐藤忠男
「ある映画監督 溝口健二と日本映画」 新藤兼人
「溝口健二の人と芸術」依田義賢
「溝口健二というおのこ」津村秀夫
この四冊が基本図書です。
続く
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