

「小津安二郎日記」を読む
都築政昭著「「小津安二郎日記」を読む 無常とたわむれた巨匠」(ちくま文庫)を購入しました。 品切になっていた単行本の文庫化です。 読みたかった本の文庫を新刊書店の棚で見つけるのは、不思議なうれしさがあります。 この本はタイトル通り「小津安二郎日記」を読み解くという内容。 都築政昭の他の著書同様、読みやすい文章で日記のみだと少し読みにくかったものに(そもそも読ませるための文章ではないので当たり前ですが)解説を加えます。 小津安二郎が生きた時代の映画界のエピソード集のような内容です。 ところで「小津安二郎日記」の実物、見てみたいと思いませんか? 実物は鎌倉文学館に所蔵されていて、以前訪れた時に展示されていたのを見たのですが、とても小さな手帳にきれいに細かな字で書かれていて、几帳面な性格を表しているように感じました。 開かれていたのは原節子について書かれているページで、その部分を見ることができただで感動です。 古本屋なので、「小津安二郎日記」の実物が市場に出たらいくらの落札価格になるだろうか、とか、自分だったらいくらの値をつけるだどうか、なんてことを考


溝口健二の本
かつて日本映画監督の三巨匠といえば、小津安二郎・黒澤明・溝口健二と相場が決まっていました。いろんな見方があるので、どれが正しいとかいうことではなく、それが一般的でした。 成瀬巳喜男の再評価が高まる時期と同じくして溝口健二が振り返られる機会が減って、なんとなく近年が溝口健二が忘れられているような気がします。 小津安二郎や黒澤明の研究書の発刊は相変わらず多いのと比較して、溝口健二は関係者の多くが亡くなっているということもあって、取材も困難なのでしょう。かなり少なめです。 2013年に発行された佐相勉編「溝口健二著作集」はこれまでまとめられる機会の少なかった溝口の発言を丹念にまとめた労作で、450ページで読み応えがあり、近年おすすめの溝口本です。 (ただし、造本が古本屋泣かせですが) 簡単に「まとめた労作」と書いてしまいましたが、本当に時間もお金もかかっていることがわかり、2800円+税で読ませてもらっては申し訳ないほどです。 溝口健二を知りたい方への入門書は、 「溝口健二の世界」佐藤忠男 「ある映画監督 溝口健二と日本映画」 新藤兼人 「溝口健二の人


伊藤若冲展の図録
1816年生まれの伊藤若冲は、2016年の今年が生誕300年になります。 4月・5月には東京都美術館に代表作品が集結する「若冲展」が催されます。会場はかなり混みあいそうですが、今から楽しみです! 伊藤若冲は古本屋にとって、とても相性がいい人で、つまりはよく売れる画家です。 手頃な価格の作品集や評論集などがたくさん出ていますので、ちょっとおすすめを。 若冲再評価の第一人者といっていいのでしょうか、辻惟雄の 「奇想の系譜」(ちくま学芸文庫) 「若冲」(講談社文庫) あたりを読んでおくと、伊藤若冲について、作風から人物、評価の歴史などがわかります。 どこでも買える手頃な図版メインの作品集は、 「別冊太陽 若冲百図:生誕三百年記念」(平凡社) 「異能の画家 伊藤若冲」狩野博幸・森村泰昌(平凡社とんぼの本) などがおすすめです。 しっかりした画集が欲しい人には、 「伊藤若冲大全」狩野博幸(京都国立博物館)! これ定価が40,000円以上しますが。 過去に催された展覧会の「若冲展」の図録・カタログもしっかりした内容のものが多く、とても人気があります。 「生誕


リドリー・スコット監督の新作
「エイリアン」「ブレードランナー」「ブラック・レイン」など幾多の名作を生んだ映画監督リドリー・スコットの新作はマット・デイモン主演の『オデッセイ』、こちらは楽しみなのですが、その次はもっと楽しみです。 「エイリアン」シリーズの最新作、「エイリアン:コヴナント」の撮影準備中で、さらに1960年代にカルト的人気を博したテレビシリーズ「プリズナーNO.6」を監督するという報道も目にしました。 1937年生まれのリドリー・スコットはもう78歳。映画監督業は重労働ですが、ファンとしては撮り続けて欲しいです。 「エイリアン:コヴナント」は「エイリアン」の前日譚で、「エイリアン」に直結するストーリーだということですから、ざっくりいうと先乗りしていた人たちがエイリアンにやられてしまうけど、女の子が生き残るという話ですね。 「ブレードランナー」に魅せられて人生が変わってしまった自分としは、美しくて恐ろしい悪夢のような映像、今から楽しみです。


三省堂書店池袋本店古本まつり
「三省堂書店池袋本店古本まつり」のおしらせ 特集:大紙もの市 会期:2016年2月9日(火)〜15日(月) 午前10時〜午後9時 ※2月11日(木・祝)・14日(日)は午後8時、最終日15日(月)は当会場のみ午後6時で閉場 会場:西武池袋本店 別館2階特設会場(西武ギャラリー) *昨年まで催されていたリブロ池袋本店古本まつりを引き継ぐ形で、22店の古書店が参加して新たに開催されます。


図録ヴィルヘルム・ハンマースホイ展
展覧会の図録・カタログ買い取ります! ということで本日は大田区で美術書の出張買取。 美術展覧会の図録・カタログなどを中心に数百冊買い取らせていただきました。 「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」 「谷文晁展」 「マン・レイ写真展」 「清宮質文展」 「トン・パリ 茂田井武画集」 など、良質の美術書・図録、ありがとうございました。 展覧会の図録・カタログも本と同様に探している人がいます。しかし、これも本と同じなのですが、何でもよいというわけではありません。 きっちりとお値段がつくものは、テーマが一般的ではなかったり、地方や小さな美術館・博物館などでしか催されていない展覧会のもので発行部数が少なめだったりと、大量に出回っていない、他に類書が少ない、などいろんな条件が付いてしまいます。 つまり「正倉院展」「印象派展」などはお値段がつかないのですが、でも、とりあえずご連絡いただければ、検討させていただきます。まとめて査定いたします。


「男はつらいよ」の舞台、帝釈天近くで買取
今日の古本出張買取は映画「男はつらいよ」の舞台、葛飾柴又でした。帝釈天の参道もすぐ近く。 このあたり、本当に映画のセットみたいな雰囲気があって、帝釈天は今でも笠智衆演ずる御前様が現れそうな不思議な空間です。 この地が「男はつらいよ」の舞台に選ばれたのも納得です。 映画の本など2000冊ほど買い取らせていただき、帰り際にパチリ。 もう夜だったので、お参りはまたの機会に。
映画好きは映画ランキング好き
映画好きは映画ランキング好きです。 私もそうですが、たいていは納得いかなくて文句を言ったりするのですが、未見の映画を見るときの指標にもなるし、やはり楽しいものです。 日本の映画ランキングの老舗といえば「キネマ旬報」のベスト・テンで、うさぎ書林でも「キネマ旬報ベスト・テン何年史」のような本は人気があります。 若い頃は「ぴあ」の「ぴあテン」「もあテン」も楽しみにしていました。 海外の映画ランキングサイトを見つけたのでリンクしておきます。 http://www.rottentomatoes.com/top/bestofrt/ 詳しくはよくわからないのですが、 1位から「オズの魔法使い」「第三の男」「市民ケーン」と続いて、日本映画では「羅生門」が27位、「七人の侍」が36位、「東京物語」が53位に入っています。

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